インプラントブログ

2012年5月16日 水曜日

部分入れ歯が合わない!

高齢の患者さんの治療例
ご高齢になってあごの骨が減り残った歯もグラグラして、入れ歯が動くようになりよく噛めなくなった患者さんです。食べることが生きがいとのこと。たってのご希望で、90代にしてインプラント治療に挑戦しました。
90歳の患者さんです。たいへんお元気で、「おいしく食べることが生きがい」というのに、このところ残った歯に引っ掛けてある下あごの部分入れ歯と、上あごの総入れ歯が動いてたいへん困っておられるとのことでした。
全身の健康状態にとくに問題はないため、患者さんの強いご希望で、思い切ってインプラントを埋め込んで、入れ歯を固定することになりました。上あご、下あごともに総入れ歯にし、これを固定します。
この手術では、コンピュータによる画像解析を駆使したハイテクを用いました。CTスキャンで、患者さんのお口や今まで使っていた入れ歯を解析し、インプラントを埋入する位置や角度をコンピュータで計算します。このデータにもとづき、インプラントの位置や角度を決定して手術を行うというものです。
こうした画像解析は、三次元的に患者さんのお口やあごの骨の形態などを把握できるため、手術の解剖学的なシミュレーションが可能な、たいへん優れたシステムです。日本はもちろん、世界の臨床で実用化がはじまっています。
さて、患者さんのお話に戻りましょう。新しい総入れ歯がインプラントで固定され、しっかりと噛めるようになりました。20年若返ったとおっしゃるほど、横顔も変わっています。インプラント治療は、高度な技術と経験が必要なむずかしい治療ですが、丁寧な診査と診断を経て、無理のない治療計画が立てられれば、高齢の患者さんにも可能なのです。
BFRORE 
上あごは歯がなく総入れ歯、下あごは部分入れ歯をお使いの患者さんです。近ごろは入れ歯が動いてうまく噛めず、たいへん困っておいでです。全身の健康状態がよいので、インプラント治療にチャレンジすることになりました。
CTであごの骨や入れ歯をスキャンし、画像解析します。骨量や骨質はもちろん、血管・神経の位置まで手に取るように把握できます。
インプラントの埋入位置や角度をコンピュータ上でシミュレーションします。このデータに基づいて作られた手術用のサージカルテンプレート(インプラントの埋入に使う型)を使って手術します。
AFTER
インプラントで総入れ歯がしっかりと固定され食べやすくなりました。
口の周りがふっくらしました。印象がまるで違います。 

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2012年5月16日 水曜日

こんなに細かくたいへんな治療です!

Q歯根の治療って、じつはすごく難しいんだそうですね。なぜですか?
A小さな歯の、極細の神経のなかで暴れている細菌を、歯を傷めないように細心の注意を払い、しっかりと除去する治療だからです。神経といっても、形や太さは人それぞれ。曲がったり、ねじれたり、枝分かれしていて歯科医師をおおいに手こずらせます。
みなさんは「根歯の治療」を受けたことがありますか?
神経を抜いたことがある方なら、この治療を受けたことがあるはずです。私たちはこの治療を抜髄治療(神経を抜く治療)とか、根管治療(歯根のなかの神経を通る管を掃除する治療)と呼び、これらを総称して歯内療法といっています。神経まで届く、深刻なむし歯の治療法として、広く一般的に行われている治療法です。
ところが、ご質問にもあるとおり、こうした治療は、じつは神経外科に匹敵するような高度な技術が要求されるたいへん難しいものなのです。このことは、欧米はもちろん、アジア諸国でもよく知られていることで、通常の場合、歯内療法の専門家が行うたいへん高価な治療として認識されています。
ところが、残念ながら日本ではこの治療の難しさはあまり知られていません。日本では、ちょっと削って詰める小さなむし歯も、根管治療が必要になった深刻なむし歯も、健康保険の制度のもと、誰もが手ごろな治療費で治療を受けることができます。そのこと自体はとても良いことなのですが、そのためなのか、「歯根の治療とはとても難しくたいへんな治療だ」という実際の治療内容についての理解はなかなか進んでいないのが現状ではないでしょうか。たいへん残念なことだと思います。
そこでこれから、「どれくらいたいへんなのか」についてお話ししていきましょう。
歯は、とくに奥歯になるほど、噛む力を支えるために2本、3本の根をもっています。この根は、患者さんごとにひとつずつ形も大きさも異なり、曲がっていたり、ねじれていたりします。そしてそのなかには神経が通っていますが、この神経の通っている根管の4本5本と枝分かれしたり、曲がったりねじれたりして複雑な形状をしています。私たち歯科医師は、複雑な形状でしかも直接目で見ることのできない根管の奥の奥まで掃除をしなければなりません。これはたいへん困難な仕事です。
歯の内部に侵入した細菌は、神経や象牙質ごと細菌をきれいに取り除き、消毒して殺菌し、詰め物をしてしっかりと封をします。ここの治療が成功すれば、いちどは奥深くまで細菌に侵されてしまった歯を、保存して再び使い続けることができるのです。自分の歯を失わずに使い続けるための「最後の手段」として、患者さんにとってとっても切実な治療です。
細い根管を掃除するには、ファイルという極細の金属の器具を使います。ファイルにはヤスリのような刃が付いていて、これで曲がりねじれる根管を細心の注意を払いながら掃除していきます。コンマ2ミリ、コンマ3ミリの治療で、ファイルのサイズには直径0.06ミリのものすらあるのですから、いかに繊細な治療かがお分かりいただけるのではないかと思います。現在では、顕微鏡を使って歯の根管の入り口をのぞきながら、CT、エックス線画像を参考にして確認するハイテク歯内療法が徐々に日本にも導入されてきてはいます。しかし保険治療をご提供しながら超高価なハイテク器機の設備を導入することはコスト的にまったく不可能だという事情もあり、ほとんどの歯科医院では、患者さんの歯を残す「最後の手段」としての歯内療法を、経験と、鍛え上げた腕で、チクチク、コツコツと行っているのです。

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2012年5月16日 水曜日

なぜチタンが選ばれる?

なぜ、インプラント治療にはチタンが選ばれるのでしょうか。
ブローネマルク博士の、骨とチタンが結合するという、世界の常識をくつがえしたオッセオインテグレイションの発見こそが、近代インプラントの夜明けでした。依頼、多くの研究が行われ、オッセオイングレイションは科学的な根拠に裏付けされ、チタンは歯科医療だけでなく医学の多くの分野で広く応用されています。
抜け落ちた菌の代わりに何らかの大替物を顎骨に差し込んで固定し、歯と同様に機能させようという試みは古代から行われていたようです。紀元前1世紀ごろのローマ時代の遺跡から、顎骨に埋入された錬鉄製の骨内インプラントが発見されています。しかし、この鉄製インプラントは歯の代わりに機能していた可能性はあるものの、チタン製インプラントのように長期間良好に機能することはなかったと想像されます。
生体に害を及ぼさない金属はチタンだけではなく、金などもそうです。しかし金属材料に求められる性質は為害作用がないことではなく、生体への親和性(細胞に好まれる)とともに、すぐれた耐久性・耐摩耗性などの機械的性質が要求されます。
近代インプラントで用いられる純チタンは、表面に強固な酸化膜ができることでチタンを保護するとともに、生体への適合性が向上すると考えられています。さらにチタンは軽量で高い硬度をもっており、咬合力を受け止める機械的強度があります。その反面、切削などの機械的な加工は一般的にむずかしい金属とされていますが、技術の進歩にともなって、現在では良好な精度をもった製品が安定して提供されています。
とはいえ、なぜチタンは骨とそれほどガッチリと結合するのでしょうか。私は、先に述べた酸化膜の存在だけでなく、チタンの結晶構造にその理由があるのではないかと考えています。
チタンの結晶構造は6万晶系とよばれる6角柱の形をしています。実は、骨や歯を構成しているヒドロキシアパタイトの結晶構成も6万晶系なのです。分子レベルで形が類似していることで、細胞がチタンを異物として排除せず、むしろ歯槽骨のなかに積極的に取り組んでガッチリと結合するのではないかということです。この幸せな誤解(?)が生むありがたい現象は、偶然に、あたかも科学の神様に与えられたがごとく発見された、といえるかもしれません。
チタンはいまや私たちの生活のなかで、たいへん身近な金属です。ゴルフクラブだけではなく、UVカット製品にもチタンが使われています。私たちは日常的に、チタンの恩恵にあずかっているというわけです。

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2012年5月16日 水曜日

いま、ここまで治る歯周炎

 人のあごの骨の質や形は千差万別です。また、お口の衛生や健康状態も人それぞれです。まして全身の健康状態となると、さらに細分化されていきます。
 インプラント治療にはさまざまな検査が必要ですが、それは患者さんごとに抱える異なるリスクに、歯科医師が十分な準備と配慮をするための、たいへん大切なステップです。インプラントには、おもにつぎの4点への配慮が重要です。
①    生物学的配慮
細菌感染への配慮です。歯周病やむし歯を治療し、予防ケアを行います。
②    生体力学的配慮
使っているうちに壊れないための設計への配慮です。本数や埋入深度や角度など、いわばインプラントの耐震設定です。
③    解剖学的配慮
埋入部位の歯槽骨の強度や形を把握し、鼻腔や副鼻腔、さらには神経を浸さないよう配慮します。
④    全身の健康状態への配慮

以上の条件を満たすためには、丁寧で詳細な問診と検査が必要です。
 手術の全段階のこうした準備が、インプラントを成功に導くための鍵を握るもっとも重要なステップです。そして、患者さんごとのリスクの高低、個性や生活の合わせたリスクコントロール法をともに考え、実行し支援することができます。

私の治療体験記
竹中康彦さん(63歳)
「人生、変わりました」
 インプラントにしようかと思ったのは、飲み友達の外科医の先生に勧められたのがきっかけです。いい先生を紹介するからといわれて、勧められるままに受診したのは、昨年の10月でした。
 歯周病で奥歯上9本、下6本がなく、部分入れ歯が隣の歯に引っかけてあり、食べにくいし、気になっていました。インプラントがどういう治療かも知らずに受診したのですが、治療期間や費用についての丁寧な説明と「人生変わりますよ」という言葉が印象的でした。
 先に上9本を終え、1ヵ月ほどのちに下6本を入れました。手術は2回とも1~1.5時間くらいかかったかと思います。
 結論からいうと、ほんとうに人生変わりました。食べるのが楽しくなりましたし、見た目もきれいで、若くなったといわれます。手入れも楽です。
 歯周病はインプラントの大敵だと教えていただいたので、歯みがきは以前と比べたらとても丁寧になりました。お昼のあとも、出張中であれ、会食後であれ、場所を見つけて欠かしません。定期健診にもきちんと通っています。保証期間が付いていて、今後インプラントの歯が欠けた場合や傷んだらどうするかなどの説明が受けられたので安心できます。
 でも長持ちするには自分の毎日のケアが肝心なのです。こんなに快適になったので、きちんとケアをして、長く使いたいと思っています。

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2012年5月16日 水曜日

治療を「よりよい治療」にするために

よい治療とは、どんな治療でしょうか?
それは、病状の診査・診断と包括的な治療計画に基づいた丁寧な治療でしょう。治療計画は治療の設計図です。治療はこの設計図をもとに行われます。歯科医師は治療開始前に患者さんへ治療のステップとゴールを明らかにし、その経過を予知しながら治療を進めます。
歯科医師には、治療計画をきちんと患者さんに説明する義務があります。これをインフォームド・コンセントといい、よい治療は、ここで患者さんの納得と協力を得てはじめて実現します。患者さんの希望、からだとお口の健康状態、予算などが考慮されて、治療計画が完成します。
インプラント治療には、さまざまなメリットがある反面、デメリットもあります。ほかの治療法を選ぶ余地もあるかもしれません。インプラント治療には、インプラントで支えるブリッジ、インプラントの総入れ歯など、補助的にインプラントを使う方法もあり、ひとくちにインプラントといってもさまざまな選択肢があります。
しかし、治療の基本はつねに同じです。どんな歯科治療も、患者さんのQOLの向上が本来の目標です。インプラント治療自体を目標とするのではなく、QOLを高めることのできる、バランスの取れた最良の治療方法を、歯科医師とともにじっくり選んでください。

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